2006.04.25 Tuesday
コミュニケーションの本質
言葉とはなにか。
大脳皮質連合野の機能である。
それがブローカの運動性言語中枢を経由し、運動系から表出される。
その表出された「言葉」から、「受け手」は自己の脳の中に、
「送り手」の脳の中にあったものと、類似の機能を起こさせようとする。
その伝達がほぼ完全であれば、「受け手」は「送り手」を「理解」する。
完全以上であれば、すなわち「受け手」の脳内に「送り手」以上の反応が生ずるなら、
「一を聞いて十を知る」、あるいはそれ以上のことを知るであろう。
「送り手」と「受け手」の脳内過程が、言葉のやり取りにも拘らず
不一致のままであれば、両者に不満が残る。
「受け手」は、「送り手」が何を言っているのか、よくわからない。
さて、「受け手」がバカなのか、「送り手」がダメなのか。
これが、人類社会のモメ事のかなりの部分を占める。
養老孟司『唯脳論』青土社 1989 P.20〜P.21より
大脳皮質連合野の機能である。
それがブローカの運動性言語中枢を経由し、運動系から表出される。
その表出された「言葉」から、「受け手」は自己の脳の中に、
「送り手」の脳の中にあったものと、類似の機能を起こさせようとする。
その伝達がほぼ完全であれば、「受け手」は「送り手」を「理解」する。
完全以上であれば、すなわち「受け手」の脳内に「送り手」以上の反応が生ずるなら、
「一を聞いて十を知る」、あるいはそれ以上のことを知るであろう。
「送り手」と「受け手」の脳内過程が、言葉のやり取りにも拘らず
不一致のままであれば、両者に不満が残る。
「受け手」は、「送り手」が何を言っているのか、よくわからない。
さて、「受け手」がバカなのか、「送り手」がダメなのか。
これが、人類社会のモメ事のかなりの部分を占める。
養老孟司『唯脳論』青土社 1989 P.20〜P.21より