〜 ローマ滞在4日目 (2011.12.30) 〜
朝6:45にアパートメントを出発した。外はまだ暗かった。
昨日と同じようにメトロに乗り、A線オッタヴィアーノ駅へ。
駅から南に歩いてヴァティカン市国へ。
国とは言っても特にパスポートが必要なわけではない。
ヴァティカン美術館正面。
この近くのカフェで美術館を案内してくれるガイドさんと待ち合わせした。
8時ごろこの正面左手より入館した。
ガイドさんの先導により既にできつつあった行列に並ぶ必要もなく、
しかも一般の入場時間よりも早く入ったとのこと。ちょっと優越感。
あらかじめガイドさんを手配しておいてくれたお義母さんに感謝。
入館に際しては空港と同じような荷物チェック・ゲートチェックがあった。
でも空港ほどは厳しくなかったけど。
最初に15分か20分ほどガイドさんから簡単なイタリア史のあらましを説明される。
外で立ち話状態だったのでちょっと寒かった。
ガイドさんはアメリカ・ボストン出身の女性で、現在はイタリア在住で修復の専門家。
ガイドはおそらく副業なのだろう。専門家だけあって非常に知識が豊富で
ほとんどの質問に対して即座に答えが返ってきた。
また「それはよく知らないけど、たぶんこういうことでしょう」と
自分がわからないことを聞かれた場合に、きちんと知らないと言う姿勢に好感が持てた。
ちなみに料金は一人あたり$100だった(支払いはユーロ)。こちらは5人だったので390ユーロ払った。
けっこう取るなぁとは思ったのだがそれだけの価値のある人だった。
説明のあと絵画館(ピナコテーカ)に入ったが絵の保護のためか館内が薄暗く、写真がきれいに撮れなかった。
フレスコ画を描く場合は、まず漆喰(しっくい、plaster)を塗りそれが乾く前に絵を描いた。
フレスコ画の絵の具は顔料(pigment)を水に溶いたもので、カンバスに描く場合は油、
木に描くときは卵に溶かしたとのこと。こんな風に説明がすごく具体的で興味が持てた。
ガイドさんの英語は聞き取りやすかったのだが、こちらにボキャブラリーがないので苦労した。
「それは何ですか」と質問してplaster、pigment、reformation(ルターがきっかけの宗教改革)などは
理解できたが、altar(祭壇?)、transfiguration((主イエスの)変容)などについては
その場では何のことかよく分からなかった。これは英語よりもキリスト教知識の問題だった。
他にもピエトロ(ペテロ)がピーター、パウロがポールと英語で発音されるのは知ってたけど
彼らが何をしたのかをまったく知らなかった。これもキリスト教徒には常識レベルなのに。
教会内に描かれた絵画は今でいうところのパワーポイントで、キリスト教の説教に使われた。
だから絵画で描かれているのはキリスト教の名場面が多い。
キリスト教の知識があれば教会内の絵画や彫刻などがもっと楽しめる。
中庭に移動してシスティーナ礼拝堂の説明を受ける。
隣にも同じパネルがあり、そこでは韓国人ツアー客に韓国人ガイドが説明していたのだが、
この男の人が大きな声を出してパネルをバンバン叩いてたので、
えらい熱の入った説明やなぁ、と少し気になった。
ここからまた建物にに入っていろいろ見ていくのだが、システィーナ礼拝堂は一番最後だった。
床のこんなモザイクは他では見なかった。
建物の中はどこも人がいっぱい。
何回かガイドさんや家族の姿が見えなくなってドキッとした。
これは天井にあった。
何かキリスト教で有名な一場面を描いているのだろうか。
両サイドに地図がある回廊(地図のギャラリー)もあった。
ガイドさんによるとこれらの地図はかなり正確とのこと。
地図のギャラリーの天井には、壁面の地図に対応した物語が描かれている。
どんな物語があるのか知りたかった。
地図のギャラリーの終点にあった紋章。
ガイドさんに何か説明されたけど忘れてしまった。
ラファエッロの間は4部屋あり、そのうちの1つ署名の間に『アテネの学堂』があった。
この絵は有名なので本やテレビなどで見たことがある人も多いはず。
この後ついにシスティーナ礼拝堂に行ったのだが、撮影禁止で会話も禁止だった。
でも観光客はみんながんがん写真を撮って、がんがんしゃべってた。
係員が定期的に「静かにしてください」と言っていたが、写真撮影については何も言わなかった。
ガイドさんに「日本の企業がお金を出して修復・洗浄が行われた」と聞いた。
ええことするなーとちょっとうれしかったが、日本の企業が著作権を主張して
もめてることも聞いてがっかりした。
Wikipediaによると「日本の企業」とは日本テレビのことだった。
いい時代になったもので下記サイトから自宅にいながらにしてシスティーナ礼拝堂の絵画を楽しめる。
Sistine Chapel (システィーナ礼拝堂バーチャルツアー)
システィーナ礼拝堂の後はサン・ピエトロ寺院へ。
サン・ピエトロ広場から見たサン・ピエトロ寺院。
入ってすぐの場所から正面を向いて。
天井の高さがすごい。
カトリックの総本山というだけあってどの像も大きく立派だった。
ミケランジェロ作のピエタというイエスを抱くマリア像の前は人だかりができていたが、
作品保護のためかガラスがありちょっと残念だった。
もちろん像だけでなく絵画も多くあった。
さらに礼拝堂もあったけど、お祈りをする人でないと入れなかったりした。
主祭壇とそれを覆う天蓋。
ドーム内側を見上げる。
窓から入る光が荘厳な雰囲気をさらに増していた。
イエス誕生の場面を描いたジオラマ。
他の多くの教会でも同様のものがあったが、やっぱりここが一番豪華だった。
サン・ピエトロ寺院を守る衛兵。
ガイドさんによると何百年も前からずっとスイスから兵隊が来ているとのこと。
偶然タイミングがよかったので衛兵交代のシーンが見れた。
ただの儀礼的なものかと思っていたが、別の入り口では同じ服装をした衛兵が
寺院へ入る人のチェックを行っているのを見かけた。
サン・ピエトロ広場。中央の細長いのはオベリスク。
柱が放射線状に並んでいるので、広場中央よりのあるポイントに立つと
柱が重なって本数が少なく見える。
4時間の予定を1時間ほどオーバーしてガイドさんと別れる。
お義母さんが時間オーバーした分とチップと言って80ユーロを渡してた。
お義母さんリッチやなーと思ったら、後からちゃんと5で割っておれと嫁さんの分を請求された。
サン・ピエトロ広場北側の通り。
ガイドさんから昼食のレストランを探すのに勧められた。
おそいめランチ。パスタ&サラダ。
お昼でもしっかり赤ワインは飲んでます。
おれだけはお酒を飲まないんだけど。
サン・ピエトロ広場で人目を気にせず情熱的なキスをするカップル。
またここに戻ってきたのはクーポラ(寺院の屋上)に登りたかったのと、
地下のお墓を見たかったため。でもどちらもすでに閉まっていたので見れず。残念。
人が多いので14時くらいには閉まるみたい。
サンタンジェロ城。
既に日没間近の時間になっていた。
サンタンジェロ城の前にあるサンタンジェロ橋にあった像。
お城の入場券を買う行列で15分か20分くらい待たされた。
サンタンジェロ城よりサン・ピエトロ寺院を望む。
ローマ市内のほうもよく見えた。
この後、A線レパント駅まで歩いたのだが暗かったし観光ポイントもなく長く感じた。
アパートメントに戻ったらみんな疲れていたので晩ご飯は外には出ず、
これまでに近所のスーパーで買っていた物ですました。