私は数年前に、市民講座の後の質問で「市販の食パンには保存料がたくさん入っているからカビが生えない」という意見に「市販のパンには保存料は入っていません。保存料を使用しなくても工業的に無菌的な環境で製造されたパンは、数日位の日持ちは当然です」と答えたところ、「私は市販のパンは買わなくて、自分の家で食べるパンは全部家庭で作っていますが、3日も持ちません」と答えられた。そこで、「申しにくいことですが、あなたの台所がパン工場より汚いからです」と答えてその方を激怒させたことがある。
毒性学の基本的概念「どんな化合物も、それが毒物になるかならないかはその量に依存する」
ヤマザキパンはなぜカビないか | FOOCOM.NET
「近所のパン屋で作られるパンは4日もすればカビだらけになる。従って2日目にはすでに相当数の胞子がカビのコロニーを作り始めている。ここにはかなりのマイコトキシンの生産が始まっている。人類はこうした微量のマイコトキシンを食べ続けることの毒性のデータを持っていない。しかし、私はおそらくこれは健康に害があると考えている。特に、発がんを考えたら絶対に避けるべきである。だから、食べないのです」
続 ヤマザキパンはなぜカビないか | FOOCOM.NET
これで、賢い読者の方にはお分かりのことと思うが、パンにカビを生やさないためには、限りなく清潔な環境でパンを製造し、その清潔な状態を維持できるように包装することと、製造されたパンの環境をカビの生えにくい状況にすること、この2つが大きな要素となってカビが生えない日持ちのするパンができるという極めて当たり前な結論に到達した。
【総括】ヤマザキパンはなぜカビないか | FOOCOM.NET